非常勤と医師賠償責任保険

 医師賠償責任保険は医師の多くが加入している保険です。民間医局等がよく知られており、加入すれば医療事故が訴訟に至った場合に、損害賠償金や弁護士費用等を補償してくれます。保険費用は医師にとってそれほど高いものではなく、年間5万前後とされています。任意保険ではないものの、安心して日々の医療行為に携わるためには、加入するのが無難でしょう。加入すべき医師は常勤医だけではありません。スポット勤務等で生活するフリーランス医師こそ、加入すべき医師だと言えます。というのも、常勤医であれば訴訟で訴えられるのは病院であることが多く、常勤医個人の責を問われても、病院が加入している保険で補償されるものだからです。それに対して非常勤医は勤め先の医療機関の保険に頼ることができず、万一訴えられたら自分ひとりで争わなければなりません。

 ところで医療訴訟発生の頻度はどの程度なのでしょうか。あるアンケート調査によれば、医療訴訟に関わった医師は、全医師の10%にのぼるとされます。10人に1人が裁判に巻き込まれていることを意味しますから、相当な数であると言えます。裁判沙汰になると、数か月ではなく、年単位の争いに発展します。忙しい医師生活に加え、裁判にも労力を割かなければならず、肉体的精神的疲労は計り知れません。では過去の訴訟の結果はどうなっているのでしょうか。医療訴訟において、医療機関や医師が敗訴する確率は20%前途とされています。つまり5人に1人は裁判で負けているのです。総合すると、100人の医師の内、10人が医療訴訟に巻き込まれ、2人が負けているという実状だと分かります。受け止め方は様々でしょうが、確率を高いと考える人は、医師賠償責任保険に加入すべきでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です